沈黙の臓器「肝臓」の基本をおさらい

 

500以上もの機能を持つ肝臓の主な機能は大きく3つに分けられます。一つは代謝、もう一つは解毒、そしてもう一つは胆汁の生成・分泌です。

 

代謝

食事で体内に取り込んだ糖質や脂質は胃や小腸で吸収され、血液中に流れます。

 

糖質はブドウ糖となり体のエネルギーとして即座に消費されるのですが、消費しきれなかったブドウ糖は肝臓に送り込まれ、中性脂肪の原料となります。

 

中性脂肪は肝細胞や脂肪細胞に蓄えられ、緊急時のエネルギーとして消費されるのです。

 

解毒

飲酒により摂取したアルコールは体にとって有害な物質です。そのため解毒する必要があるのですが、その役割を持っているのが肝臓です。

 

アルコールは肝臓に送り込まれるとADH(アルコール脱水素酵素)によってアセトアルデヒドという有害物質に分解、その後ALDH(アルデヒド脱水素酵素)により無害な酢酸へと分解されます。

 

酢酸は体内を巡った後、水と炭酸に分解され体外へ排泄されます。

 

胆汁の生成・分泌

胆汁は十二指腸で作用する消火液の一つであり、脂肪の消化吸収を助けます。

 

肝臓では毎日600〜800mlもの胆汁が生成・分泌されており、エネルギー源となる脂肪を吸収するためにとても重要な役割を果たしているのです。

 

このように肝臓には多くの役割があり、そのどれもが人間が生きていく上で欠かせないものとなっています。

肝臓の働きとシミの関係について

シミの原因は7割が紫外線と言われてますが、残りの3割のうちの大部分を肝臓の機能低下が占めています。

 

肝臓機能が低下すると血液中に活性酸素と呼ばれる酵素が上昇します。活性酵素は体内に侵入したウイルスを撃退する働きがあるのですが、同時に細胞を傷付けてしまうという性質も併せ持っています。

 

 

さらに血液中の老廃物質が増える原因ともなり、この老廃物質が新陳代謝の低下を招くと肌のターンオーバーが正常に機能しなくなるのです。

 

ちなみにターンオーバーとは皮膚細胞の再生サイクルであり、通常28日周期で細胞が生まれ変わります。このターンオーバーが正常に機能しなければ細胞に沈着したメラニンが排出されず、肝斑やシミの原因になるのです。

 

 

さらに肝臓はグルタチオンと呼ばれるメラニンを抑制する物質を生成していますが、肝機能の低下によりグルタチオンの生成は減少。メラニンを抑制できず結果的にシミを作る原因となってしまいます。

 

このように肝臓の働きとシミにはとても深い関わりがあったのです。

肝臓が弱ることによるシミ以外の問題は

お腹のでた中年男性

 

肝機能が低下するとさまざまな弊害を引き起こしますが、その最たるものが脂肪肝です。

 

肝臓にはエネルギーの備蓄として中性脂肪を蓄える機能があり、通常ならば肝細胞全体で3〜4%程度の中性脂肪を蓄えています。

 

しかし肝機能の低下により中性脂肪の消費が効率的にできなかったり中性脂肪を多く合成してしまうと、肝細胞に中性脂肪を多く蓄えてしまうことに。

 

そして肝細胞全体の30%が中性脂肪化すると脂肪肝と診断されます。

 

脂肪肝は常習飲酒が原因となるアルコール性脂肪肝と、過食や肥満などが原因となる非アルコール性脂肪肝の2種類があります。

 

この2つの内危険視されているのが非アルコール性脂肪肝です。

 

非アルコール性脂肪肝は放置しているとやがて非アルコール脂肪性肝炎へと発展します。

 

この非アルコール脂肪性肝炎は、従来進行しない良性の病気と考えられていましたが現在では肝硬変や肝臓がんへの進行が多く報告されています。

 

ちなみに肝硬変は肝細胞の壊死・線維化(結合組織の異常増殖)により萎縮・効果してしまう病気であり、アメリカでは常に死因ランキング上位にランクインしている病気です。

 

そして肝臓は日本人のがん発症率第4位であり、致命率69%と危険な病気です。

 

このように肝機能が低下するとシミだけでなくさまざまな弊害を引き起こし、命の危険を伴うこともあります。

肝臓を強化する食べ物(栄養素)は

しじみ汁

 

肝臓を強化する主な栄養素はタウリン、オルニチン、セサミンです。

 

タウリンとは

タウリンは人間の体内でも生成されている酵素ですが、かなり少量なので残りは食事から摂取するしかありません。

 

タウリンの働きは肝細胞に備蓄された中性脂肪を体外に排出、肝細胞の再生、そしてアルコールを解毒する酵素の生成です。

 

タウリンが含まれる食べ物
  • しじみ
  • カツオ
  • ブリ
  • サザエ
  • ホタテ
  • カキ

 

オルニチンとは

オルニチンは「オルニチンサイクル」と呼ばれる、肝臓におけるアルコールの解毒サイクルを生み出す重要な酵素です。

 

アルコールから発生した有害なアンモニアを解毒し、さらにそこから再びオルニチンを生成。生成されたオルニチンは再びアンモニア解毒に利用されます。

 

オルニチンが含まれる食べ物
  1. チーズ
  2. マグロ
  3. ヒラメ
  4. パン
  5. えのき

 

セサミンとは

セサミンは非常に強い抗酸化作用があり、血液中の活性酸素が細胞を傷つけるのを防ぎます。

 

活性酸素によって細胞が傷付けられると肝機能が低下し、中性脂肪が溜まりやすい体質にかわってしまいます。結果、脂肪肝や脂肪性肝炎などの病気を発症する原因となるのです。

 

そのためセサミンの肝臓の健康状態を保つためには欠かせない栄養素となります。

 

セサミンが含まれている食べ物

セサミンが含まれている食べ物は少なく、ゴマに多く含まれています。しかしゴマのみで目標摂取量を超えるのは難しいので、サプリメントなどを用いて摂取するのが一般的です。

 

肝臓は体全体の健康を維持する要と言っても過言ではありません。肝機能を強化する栄養素を積極的に摂取し、肝臓の健康に意識を向けることで、シミの改善にもつながります。