そもそも糖化とは

豚骨ラーメン

 

「AGE」

 

この言葉をご存知ですか。糖化によってできる「糖化最終生成物」という老化促進物質です。

 

私たちの体はほとんどタンパク質でできています。そのタンパク質と、食事などで取りすぎてしまった糖が結びつくと、タンパク質が変化してAGEを生み出してしまいます

 

AGEは血液中に糖が多い状態でつくられるので、ごはんやパン、麺類などの炭水化物や甘いお菓子やジュースといった「糖質」を過剰に摂らないようにすることが大事です。

 

AGE(糖化最終生成物)の何がいけないのか?

AGEが増えると、体の血管や筋肉、肌などを構成しているタンパク質がどんどん変性、劣化していき、その結果体を構成するタンパク質が本来の役割を果たさなくなってしまいます。

 

そうすると、トラブルや病気が起こりやすくなり、さらには老化を早めてしまうことになるのです。

 

ですが、AGEは誰の身にも多少は存在するものです。人間は食べ物を食べ、その中の糖質をブドウ糖に分解し、エネルギーを得ています。なので、生きていれば血中に糖が出回るのは仕方のないことです。

 

しかし、糖化の進み具合は人それぞれです。その人の食生活や生活習慣によって大きく差が出てきます。糖化を防ぎ、糖とうまく付き合っていかなければ、どんどん老化が進むのです。

 

「酸化」と「糖化」は兄弟分

糖化とよく似た生体反応に「酸化」があります。私たちが呼吸をし、取り入れた酸素の2〜3%に相当する余分な酸素が活性酸素となり酸化の原因になります。

 

活性酸素のパワーは強力で、体内に入ってきた脂質を酸化させます。これによりできた過酸化脂質が体内に居座るようになると体の細胞がダメージを受け、老化の大きな原因になります。

 

体に必要不可欠なものを余分に取り入れることで、逆に体に良くない物質に変わる、という点では酸化と糖化は似ています。

 

そもそも、糖が劣化するのに酸化や酵素の力が作用しており、酸化の度合いが大きれば、糖化もより起こりやすくなります。糖化と酸化は互いに影響し合いながら、どんな時も行動を共にする兄弟分のようなのものなのです。

肌の糖化でどんな症状が出る?

スキンケアする女性

糖化によってAGEがつくられると、体のあちらこちらにトラブルが生じてきます。それは肌にも言えることです。

 

肌のタンパク質がもろくなれば、たるみやくすみ、しわなどの老化が進みやすくなります。

 

肌がハリややわらかさを保てるのは内側からコラーゲンなどのたんぱく線維がしっかり支えてくれているからです。これが、糖化反応によってAGEが忍び寄り、タンパク質に入り込んでくれば、肌の弾力や柔軟性が失われるのです。

 

そして内側から支える力が衰えるので、たるみやシワにもなります。また、肌にできたシミを調べると、AGEがたくさん溜まっているともいわれています。

 

ホットケーキやクッキーを焼くとだんだんこんがりと褐色に変化するのも糖化反応です。そして、一度糖化してしまったら元には戻せません。

 

肌も同じで、日々の食べた物や生活習慣でゆっくりですが確実に糖化は進んでいます。そして積み重なってシワやくすみといった肌の老化現象に現れるのです。

 

化粧品でも抗糖化のコスメが売られています。こういった商品を利用するのはもちろんいいことですが、もっと大切なことは「体の外側からのケア」よりも「体の内側からのケア」が大切だということです。

 

それはやはり、食べ過ぎを防ぎ、炭水化物や甘いものばかりを摂らないことです。

 

このことを頭の隅に置きながら、日常生活を送るとより抗糖化対策ができると思います。

肌だけじゃない!身体中にひそむ糖化の恐怖

森林

糖化はゆるやかな死への行進

 

なんだか怖い言い方ですがその通りで、糖化はすぐに症状として現れません。ですが、確実に進行し私たちの体を蝕んでボロボロにします。

 

糖化が引き起こす主な病気

糖尿病・糖尿病合併症

糖化がすすみ、体内にAGEが溜まってくればより糖尿病になりやすくなります。また、すでに糖尿病のひとは症状がより悪化しやすくなります。

 

糖尿病予備群や糖尿病の人は、すみやかに血糖を下げるインスリンの働きが通常よりも落ちています。なので、食後に高血糖状態になりやすく、その分AGEができやすくなるのです。

 

糖尿病というと、メタボな男性のイメージが強いかも知れませんが、女性も安心はできません。特に、更年期を過ぎた女性は糖尿病のリスクが高まります。

 

更年期を過ぎると、インスリンの効きが衰えてくるので食後の血糖値が上がりやすくなり、糖化が進みやすくなります。つまり、更年期後も以前と同じような食べ方を続けていると、知らぬ間に糖尿病が進行してしまう危険性があるのです。

 

また糖尿病合併症は、AGEによって全身の毛細血管が障害されることが大きな原因です。

 

糖尿病患者の寿命は、通常の人よりも10年短いともいいます。糖尿病を患っている人にとって、AGEが増加することはとても恐ろしいことです。全身の毛細血管が侵食され、体が内側から崩れるように命が縮められてしまうのです。

 

動脈硬化・心筋梗塞・狭心症・脳梗塞・脳出血

AGEにはRAGE(レージ)という受け皿があります。このAGEとRAGEが結びつくと細胞内の情報伝達に変化が起こり、炎症シグナルが活発化します。この炎症によって大きなダメージを受けるのが血管です。

 

血管の内側で起こる炎症こそが動脈硬化の真の原因ではないかと近年の研究で言われています。

 

そして動脈硬化が心臓の血管で進むと、心筋梗塞や狭心症が起こりやすくなります。狭心症は心臓に栄養を送っている冠動脈の内側が狭くなってきて、詰まりかけた状態で、それが完全に詰まってしまった状態が心筋梗塞です。どちらも一刻もはやく治療をしないと死につながってしまします。

 

認知症・アルツハイマー病

アルツハイマー病の原因はβ-アミロイドというタンパク質が蓄積し、脳の神経細胞が死滅してだんだん萎縮してしまう病気です。アルツハイマー病の人の脳には「老人斑」というシミができ、このシミを調べると、健常な老人に比べ3倍以上もAGEが検出されていることが報告されています。

 

脳血管性認知症にも少なからず影響しています。脳の神経細胞は情報を伝達するため隣にある細胞に軸をのばします。この軸はミエリン鞘というもので覆われており、通常は情報漏れで思考が混乱しないようになっています。

 

ところが、脳血管性認知症の人のミエリン鞘の部分は非常に薄くなっています。動脈硬化のよる血流不足で、酸素と栄養が十分に届かないことが原因とされています。

 

骨質が悪くなる

骨のトラブルというと「骨粗しょう症」がよくしられています。しかし、骨が構造的に弱くなるのは骨密度だけでなく、「骨質の低下」にも原因があるのです。その割合は6〜7割が骨密度で、残りの3〜4割は骨質です。

 

AGEは「骨質」を悪くします。骨はカルシウムとコラーゲンでできていますが、AGEはそのコラーゲンたんぱくの中に入り込み、骨をもろくしてしまいます。

 

だるさや疲れやすさも糖化の影響!?
体がだるい、疲れやすいなどの不調を感じることもよくあります。このようなちょっとした不調もAGEに全く関係のないこととはいえません。
糖化によるAGEの及ぼす害は、体のあらゆる細胞の機能低下につながります。それによって全身の免疫力が低下したり、内臓の動きが鈍くなったりします。
その結果、だるさや疲れやすさが引き起こされている可能性も十分に考えられます。

糖化と食べ物はどんな関係がある?

懐石料理

糖化と食事は切っても切れない関係です。糖は人間にとって欠かせないエネルギー源です。糖が入ってこなければ、体を動かすことも考えることもできなくなります。

 

そんなありがたい栄養素ですが、摂りすぎて体内にいつもあふれた状態が続くと糖が凶暴な姿へと変わり、そのためトラブルや老化や病気がじわじわ進み、寿命を縮めるような道へ追い込まれてしまいます。

 

つまり人間を活かすも殺すも「糖」次第というわけです。糖とどう向き合うかによって人の寿命は大きく変わってくるといっても過言ではありません。

 

そのためにはただ炭水化物の摂りすぎ、甘いモノの食べ過ぎさえ気をつければいいというわけではありません。ここでは糖化を防ぐ、食事のちょっとしたコツを紹介します。

 

懐石食べ

糖化を防ぐのに重要なのは「食後の血糖値が急に上がらないようにすること」です。そこでポイントとなるのが食べる順番です。

 

結論から言うと必ず野菜を先に食べることで血糖値の急上昇を防ぎます。

 

ポイントになるのは食物繊維です。野菜やキノコ、海藻や豆類などに含まれる食物繊維は、糖質の吸収をゆるやかにする働きがあります。

 

例えば、丼ものやカレーなどを食べるときは、サラダをプラスしてそれを先に食べると血糖値の急上昇を抑えられます。どんなメニューでもまず先にサラダや野菜を食べることを習慣づけるといいでしょう。

 

緑の野菜をたくさん食べる

緑の野菜、それは最強の抗糖化食品です。

 

2010年のアメリカの研究で、緑の野菜は糖尿病の発症を抑制するという論文があり、その根拠として緑の野菜のAGEを抑える役割が注目されています。中でも、カリウムの値の大きい食材の摂取が糖尿病の発症を抑えるのに効果的なことも明らかになっています。

 

ひと口に野菜と言っても色々ありますが、やはり葉菜類を中心とした野菜を食べるのがおすすめです。緑色をした野菜は食物繊維は豊富で炭水化物はほとんど含まれません。なので、血糖値をゆるやかに上昇させるには緑の野菜を中心に取るのがベストです。

 

糖化した食品を摂りすぎない

加工商品にはAGEが多く含まれています。ハムやフランクフルトソーセージなどは、普通の肉よりもAGEの含有量が多くなっています。

 

また、基本的に小麦粉と砂糖を混ぜて加熱しているクッキーやビスケット、スナック類も注意が必要です。加熱過程で、小麦粉に含まれるタンパク質と糖が反応して糖化が起こっているからです。少しの量なら問題ありませんが、ずっと食べ続けていつの間にか一袋空けてしまうような食べ方をしてはいけません。

 

調理方法も重要になってきます。食品のAGE量は生の状態が最も低く、加熱調理をすると一気に高くなります。

 

その調理法も、ゆでたり煮込んだりするよりも、油で揚げたり直接焼いたりするほうが高くなります。また、焼き具合も関係していて、焼き過ぎるほどAGE量が増えるとされています。

 

なお、加熱調理した際にできるコゲには、AGEが非常にたくさん含まれていますので、真っ黒にコゲたような部分はなるべく口にしないほうがいいといえます。

糖化を改善!抗糖化するための5つのポイント

いつまでも健康で若々しさをキープしたいと皆さん思っていると思います。そのためには抗糖化力を高めることが重要になります。抗糖化で老化を少しでも遅らせるポイントがあります。

 

食後1時間に体を動かすことでAGEを減らせる

ウォーキングしている女性の足

食品を食べた後、最も血糖値が上がるのはだいたい食後1時間です。ですので、食後1時間にどんなことをするかで、AGEを減らせるかどうかが変わってきます。

 

では何をするのが正解かというと、運動です。食後一時間をねらって体を動かすと、血糖値は大きく下がります。運動の基本の目安は「15分ウォーク」と「ハーフスクワット20回」です。

 

15分まとめて歩かなくても大丈夫ですし、ハーフスクワットも無理な状況なら階段の上がり下りでも構いません。本当は毎食後に運動できればいいのですが、仕事や家事で忙しく毎回なんてとても無理という人もいるかも知れません。そういう人は無理せずせめて週2,3回はするとか朝だけはやろうということでも大丈夫です。

 

そんなに難しく考えずに、ちょっと体を動かそうくらいの気軽なイメージで取り組むといいでしょう。

 

夜遅くに食べてすぐに寝るのは最悪のパターン

ベッド

糖化がもっとも進みやすいのは食後1時間ですから、夕食後お腹がいっぱいになってすぐに寝てしまうことはよくありません。寝ている間に血糖値が上がり、さらに就寝中は消費するエネルギーも少なくなっているので、血液中に余分な糖があふれやすくなります。

 

そして、寝ている間にAGEがどんどん生産されてしまいます。夕食後は、就寝まで少なくとも2,3時間は空けたほうがいいでしょう。

 

もうひとつ、睡眠不足や質の良くない睡眠は糖代謝を悪くします。毎日ぐっすりたっぷり眠ることが大切です。これらは、抗糖化だけでなく、肥満や生活習慣病を防ぐためでもあります。

 

たばこは絶対にNG、アルコールは適量ならOK

酒とたばこ

たばこは健康面すべてにおいて悪者ですが、糖化においても例外ではありません。喫煙習慣が体内のAGEを増やしてしまうことも明らかになっています。

 

またタバコは血流を悪くしてシミが治りにくくなるなど、まさに百害あって一利なしです。

 

 

アルコールは適量であれば大丈夫です。アルコール自体は飲んでもほとんど血糖値を上げません。適量のアルコールは肝臓から出て行くブドウ糖の量を減らし、血糖値を下げることもあるのです。

 

注意すべきなのは、食べ過ぎてしまうことです。おつまみをつまみながらダラダラ飲むと食べ過ぎになりがちですし、また、シメにラーメンかお茶漬けなんていうのはもってのほかです。おつまみを食べた後の炭水化物は血糖値を上昇させてしまいますので避けるべきです。

 

できるだけストレスを受けない生活を心がける

頭を抱える女性

ストレスも糖化にとってよくありません。血糖値が上がり、糖化が進みやすくなります。血糖値が上がる分、食後高血糖になりやすく、血液中に糖があふれた状態が生じてしまいます。

 

ストレスによって心身の緊張状態が続くとすぐ疲れきってしまいます。他の病気やトラブルになりかねないので、ストレスは溜め込まないことが大事です。

 

ストレス解消法として呼吸法があります。「吸う(5秒)→保つ(2秒)→吐く(7秒)」というタイミングで何回か呼吸をすることです。スローな呼吸をすることによって、気持ちが鎮まり、心身が落ち着いてきます。

 

この他にも、自分ならではのストレス解消法を見つけてストレスを溜めないようにすることが大切です。

 

抗糖化の効果があるサプリメントの摂取も有効な方法

サプリメント

最近、抗糖化サプリメントが出回るようになりました。もっとも、血糖値の上昇を抑えるという点においては、以前から効果的な作用の期待ができるサプリメントが知られています。

 

グァバ

グァバの特有成分である「グァバ葉ポリフェノール」は、消化酵素の作用を阻害し糖質がブドウ糖に分解されるのを抑える働きがあります。

 

バナバ

バナバの葉っぱにはコロソール酸という成分が含まれており、インスリンと同じような作用があります。ブドウ糖が効果的に細胞に取り込まれるようになるため、血糖値の上昇を抑えられます。

 

糖化を抑えるには血糖値の上昇を抑えることがなんといっても一番大事です。そのためには、食べ過ぎない、軽い運動をする、ストレスをためないなど当たり前に思っていることが重要だと分かります。

 

日常の生活で少し気をつければ、糖化のスピードを遅らすことができます。5年後、10年後も健康で若々しくいられるように、抗糖化力を高める心がけをしましょう。